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Ikat 〜イカット〜
インドネシアの島々に見られる伝統の織物

インドネシアのスンバ島、スマトラ島などが主な産地のイカットは、いわゆる日本でいう絣(かすり)の布。
バティックと並ぶ、インドネシアを代表する布です。
イカットとは「くくる」という意味。糸をくくって、染め分けてから織るのです。
水洗いを重ねるほどに染め色が微妙に変化し、その素朴な風合いの魅力が増すといわれています。アンティークなものほど高くなりますが、値段はさまざま。
インドネシアの島々には、その島や民族独特のイカットの製法があり、柄も人物、動物、鳥をモチーフにしたものなど豊富です。
現在でも女性たちの手作業により、その伝統は受け継がれています。


地域によって異なるファブリックの特徴

インテリアの味付けにとても効果的なのがファブリック。特にインドネシアでは、たくさんの民族が独良の織物文化を発展させてきました。それぞれの特徴を知り、より愛着が持てる逸品をぜひ手に入れましょう。

スマトラ島北部

スマトラ島最北端アチェ特別州の土着民族のガヨ族に伝わる伝統刺繍が施されたイカット。この地方の布には三角山形のモチーフがよく使われます。若竹のように、幼いころは軟弱でも成長とともに強くたくましくなるという願いが込められています。イスラムなど中東文化の影響を受けたデザイン。

フローレス島

伝統的に幾何学模様や花柄が中心で、色は茶系統が多く、地味な色合いの中に落ち着いた雰囲気が感じられます。西部のマンガライ族は多彩色のくくり染めを使います。

テルテナ島

現地の生活に密着した素朴なモチーフで、魚、亀、蝶、太陽、モコ(銅鼓)などが多く、星や幾何学模様もあります。最近は、島にはいない象なども新しいモチーフとして取り入れられているようです。茶と藍の色が深くて美しい。

サウー島

藍地に花や鳥を散らした清楚な模様が多い。女性用サロンの花模様は特に美しいです。

バリ島・テンガナン村

グリンシンという経緯絣が特に有名。経(たて)糸と緯(よこ)糸の両方に防染して、文様を織り出す餅布で、インドのバトラと共に世界的に貴重な布。この布の色である白、黒、赤はそれぞれヒンドゥー教の三神、すなわちシヴァ神()、ヴィシュヌ神()、ブラフマー神()を象徴するともいわれています。

スラウェシ島南部

スラウエシ島の山岳地帯に住むトラジャ族の伝統的な布。ダイナミックな幾何学模様が特徴で、葬儀を重んじるトラジャ族にとって死者を包んだり、棺桶を飾ったり、死者の儀礼の場で欠かせないアイテムとして重宝されています。

レンバタ島

ローレス島のものに似てしぶい茶や藍色を基調色とした絣。糸が太目で、しっかりと織られた素朴な味わいがあります。

ロンボク島

ロンボク島のイカットには、高床式の住居(ロンボクハウス)やロンボク船、人、家畜など、原住民の伝統的な生活様式をモチーフにしたものが多くみられます。

ティモール島

内陸部のアトニ人とベルー人によって代表されます。アトニ人のイカットにはワニ、トカゲなど爬虫類の文様が先祖霊として描かれています。またベルー人には人物文様が好まれ、やはり祖先神や魔除けの意味があります。東ティモールの海岸では、渦潮模様がみられます。

ボルネオ島

先住民であるダヤク人の生活するロングハウスという長屋や、幸福と吉祥の祈りを込めた「生命の樹」のモチーフが多いです。草木染めの抑えた色彩が特徴です。

スンバ島

人物や牛、ワニ、亀、馬、ヘビなどのモチーフが使われ、非常にプリミティブなデザインが特徴。動物を祖先神と崇める精霊信仰の象徴。また首狩りの風習を写した「どくろの木(アンドゥン)」が有名です。

【イカットの製法】


縦糸を張って、縦糸の1本ごとに模様に合わせて部分的に糸をきつく巻き付けます。
縦糸を染めます。すると糸を巻き付けられた部分は染まらずに白く残ります。
模様に合わせて1と2を繰り返す。
横糸(1色)と合わせて織る複雑な模様になるほど1と2の過程が多く、手間がかかることになります。染め分け る時に巻かれる糸はバティックで使われるロウと同じ防染の働きをします。
【イカットの種類】
エンデック
バリ島で作られる「シングルイカット一の呼び名。シングルイカットは経(たて)糸、緯(よこ)糸のどちらかのみ を染めて織られるもの。少し柄は粗くなります。
グリンシン
『ダブルイカット』をこう呼びます。経(たて)糸、緯(よこ)糸の両方を部分的に染め分けて織りよげるという高度な技術を必要とし、かなり手間を要することから、シングルイカットに比べると非常に高価。
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